運を科学的に考える-成功に必要な要素と科学者マインド

人生

今回は、鈴木祐さんが書いた「運の方程式」という本をもとに、どうやったら運を高めることができるかをまとめました。(ここでの「運」とは、占いやスピリチュアルな要素ではありません。)

この記事を読んでもらいたい人

失敗や挫折から立ち直りたい人

成功するための必要な要素が分からない人

運の要素とは何か?

現代では、運を科学的に考える研究が行われています。ここで、運がどれだけ人生に重要なのか?以下のような専門家の意見があります。

・「キャリアの成功の8割が偶然で決まる」 

教育心理学者:JDクランボルツ著 その幸運は偶然ではないんです!

・成功には才能や努力だけでなく、運の要素も重要であり、最も成功した人々はしばしば平凡ながらも運に恵まれた個人によって追い抜かれるという見解(2022年イグノーベル賞受賞、カターニア大学)(R)

上記のように、人生の成功は才能ではなく、運の要素が重要だということが主張されています。

運の要素

また、本書では以下のような運の要素が書かれてました。

  • 住んでいる場所
  • 見た目
  • 数学が得意かどうか
  • 発音しやすい名前かどうか
  • 誕生月

まず、収入格差は住んでいる国とその国の所得分布によって決まるという研究があります(経済学者ブランコ・ミラビィッチらの研究)。

また、外見の要素も運に影響を与えます。ルックスが良いほど収入も高く、逆にルックスが下位にランクされた人は収入が低いという結果が示されています(経済学者ダニエル・ハマーメッシュらの調査)。

さらに、数学の得意な人ほど収入や地位が高く、数学の成績が優れている人は将来的に成功する確率が高いことも明らかになっています。

数学が苦手な人は、人生の成功率をあげるために数学の勉強をしてみてもいいかもしれません。ただ筆者は自身のブログで読書などを通して様々な学問に触れることを推奨しているため、数学の勉強のみにならないことが大事かもです。

これらの研究から、運は様々な要素によって左右されることが分かります。

収入や外見、数学の能力など、個々の要素が運に影響を与える可能性があります。

しかし、これらの要素は必ずしも運を左右する全てではありません

本書では、上記の外見や数学力ような相当変えることのできない運の要素ではなく、「運の方程式」をもとにした、誰にとってもこれからの人生において変えられる運の要素を取り上げています。

運の方程式-行動力、察知力、継続力、回復力の重要性-

運を高めるためには、運の方程式を理解することが重要です。筆者が作成した運の方程式は以下のように表せます。

幸運=(行動×多様+察知)×回復

この方程式において、行動力、察知力、継続力、回復力が重要な要素となります。

行動力:積極的に行動を起こす能力

察知力:周囲の状況や機会に対して敏感に気付く能力

継続力:長期的な目標に向かって取り組み続ける能力

回復力:失敗や挫折から立ち直り、再びチャレンジする能力

本書ではこの4つの力においてどの部分が劣っているかを採点する質問集があります。

これらの要素をバランスよく鍛えることで、運を高めることができ、とくに自分の劣っている要素を特定し改善することが運を高めるために大事だと書かれていました。

私は、とくに行動力がダントツで低かったです。というのも、最近は投資関連のことに興味を持ち、貯蓄するためにも、お金がかかることに積極的に行動しなかったり、人とかかわるのを若干避けてしまったりしてるんですよね。

この本を読んで、自分の興味のあることや良好な人間関係を作るためには、積極的に出費して行動力を高めようと思ました(運が高まれば、出費以上のリターンが返ってくるはず、、)。

多様な経験を積むことで運を高める

運を高めるためには、多様な経験を積むことが重要です。一つの分野に特化せず、さまざまなことに挑戦することで、運の幅を広げることができます。

例えば、子供の頃から複数のスポーツや活動に取り組んだアスリートは、ひとつのスポーツしか取り組まなかったアスリートに比べて、成人になってから、好成績を収める確率が高いという研究結果があります。複数のスポーツに取り組むことで、長期的な成功率が上がる理由を研究者は以下のように理由付けしています。(R)

  1. メンタルの燃えつきを防げる:一つの活動に執着することで燃え尽きてしまうリスクを軽減することができます。新しい刺激や興味深い経験を通じて、モチベーションを維持しやすくなります。
  2. 自分の才能の見極めができる:複数の活動に取り組むことで、自分の得意な分野や才能を見極めることができます。自分に合った道や進むべき方向を見つけることができるでしょう。
  3. 多様なスキルが身につく:さまざまな活動を経験することで、異なるスキルや能力を磨くことができます。これにより、柔軟性や創造性が高まり、様々な状況に対応する力を身につけることができます。

また、さきほどの論文では学問においてもノーベル受賞者は様々な専門領域を研究しており、ノーベル賞をとっていない優秀な研究者と比べて初期の進歩は遅いが、長期的な発展の持続可能性が高く、より多くのアプローチで研究をできるため、応用力や問題解決力が高いと述べられています。

私はこの結果をみて、情報工学や心理学、脳科学、メディアなど、学生のうちに様々な分野を勉強や研究をして、将来的に(ノーベル賞とはいかずとも)優秀な研究者やビジネスマンになりたいと思いました。

また、才能のある人とない人の唯一の違いは、開放性(好奇心)だとの研究結果(R)もあるため、いろんなことに興味をもってチャレンジしたいですね。

多様な経験

また、本書では年齢や性別、考え方など多様な人間関係を作ることで、新たな仕事や人間関係など様々な機会を増やすことができることも述べられていました。

このことから、社会人になろうとも休日は家でゴロゴロせず、スポーツジムに行って、会社以外の人と話したりすることが大事なんだと思いました。

また以前ブログで「専門家の政治予測」の紹介をしましたがたくさんの人から意見を聞くことで間違った思い込みにとらわれにくくなることということも運を上げることに役立っていると思いました。


科学者マインドセットと問いの増やし方-運を高める思考法-

科学者マインドセットとは、問題を解決するために仮説と検証を繰り返すことを重視する思考法です。失敗や挫折を新たなデータとして捉え、改善や学びの機会として活用することが特徴です。

私は運を上げるために「科学者マインドセット」が一番重要だと考えました。

なぜならば、このマインドセットは、運の方程式における要素の行動、多様、察知、回復をすべて高める思考法だからです。

Person holding orange and white toothbrush

具体的に、野球のピッチャーを例にあげると

試合でコントロールが乱れ、大量失点した。(結果)→

コントロールが悪いのは、ピッチングフォームが固まっていないことが原因ではないか(仮説)。

鏡を見て、正しいピッチングフォームを身につけて、週末の試合に挑もう(検証)→ 

コントロールは良かったが、打たれて大量失点した(検証結果)→

打たれないためには新たな変化球を身につけたほうが打たれにくいいのでは?(仮説)→

新たな変化球を練習し、次の試合で使ってみるとノーヒットノーランを達成した。(検証、結果)

また、恋愛に例えると

自分の好きなA子ちゃんに、好意をもたれるためにはまずは積極的に話す必要がありそう(仮説)→

A子ちゃんに積極的に話したものの、話のネタがつきて沈黙が続いた(検証、結果)→

話のネタがつきないためには、A子ちゃんの趣味を調べて、話せばいいのでは?(仮説)→

A子ちゃんと趣味のネタで盛り上がり、カフェでデートに行くことが決まった。(検証、結果)

このように科学者マインドセットでは失敗を前向きにとらえるため「回復」もつき、失敗にもとづいて仮説・問いを立てるため、「察知」がつき、考え方に「多様性」が生まれ、さらに「行動」(検証)を繰り返すため、運を高めるうえでは一番効果的なやり方だと思いました。

実際の効果として、起業家の中で科学者マインドセットを持つ人々は、そうでないグループと比べて稼いだ金額が2.6倍大きいという研究結果があることからも、科学者マインドセットの重要性がうかがえます。

科学者マインドセット

科学者マインドセットを深く学ぶには、「失敗の科学」という本がおすすめです。


また、運の方程式の「回復」を高めるためにも、正しいメンタルの鍛え方を覚えることが大事です。以下の記事を参考にしてみてください!

今回のまとめとしては、

  • 成功には運が大きく影響する可能性が高い
  • 長期的に考えて成功したいなら、多様な学び・行動をしよう
  • 運を高めるには科学者マインドセットが重要

といった感じです。

参考文献:「運の方程式」鈴木祐著


鈴木祐さんは、これまでに論文を5000本以上読んできた経験から、食事や睡眠、美容などについてブログや本を通して発信をされています。

とくに、アンチエイジング(抗老化)のため記事を書いておられ、長期的な投資をして資産を増やしたい自分にとっては、本当に役に立つ知識を吸収させていただいています。みなさんも鈴木祐さんのブログを参考にしてみてください。

鈴木祐さんのブログ

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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