近年、InstagramやTwitterなどのSNSで、様々な人のルックスや行動を見れるようになりました。SNSは自分にとって良い影響になることがある一方で、すごい人と自分とを比較して自尊感情が低くなっている人も多いと思います。
そこで自尊感情を高めたいと思う人も最近は多いかと思うんですよね。しかし、そもそも自尊感情を高めようと考えることが間違いです。
なぜなら、自尊感情を高めようとすると、ナルシストになったり、偏見や差別をしやすくなったりする可能性があるからです。
ナルシストは自分を特別扱いし、自分の欠点に目を向けず、自己成長できない可能性があります。
もし、自分と比較で落ち込んでいる場合は、自尊感情を高めるのではなく、自己肯定感を高めることをしましょう。
この記事では、自尊感情よりも自己肯定感を高めたほうがメンタルの改善につながりやすい理由を紹介します。
また、自己肯定感を高めるためのセルフコンパッションというテクニックも紹介します!
【若者向け】自尊感情を高めるのは間違い。メンタルを良くしたいなら、セルフコンパッションを鍛えよう
自尊感情と自己肯定感、それぞれの違いとは
自尊感情とは何か?
自尊感情とは、自分自身の価値についてどのように感じているか、自分をどれだけ誇らしく思っているかという感情のことを指します。
たとえば、「自分は特別な人間だ」「自分は優れている」と感じることは自尊感情の一部という感じですね。
しかし、自尊感情は常にポジティブとは限りません。なにか自分が失敗した場合に、「自分は特別な人間だ」「自分は優れている」といった自尊感情を感じられなくなり、がっくり落ち込みやすくなります。
自己肯定感とは何か?
自己肯定感は、自分自身が自分の価値や能力をどれだけ受け入れているかを表します。
例えば、自分の外見に対して「ありのままの自分で大丈夫」と考える人は自己肯定感が高いです
自己肯定感が高い人は、自分自身の力を信じて行動することができ、困難に対しても前向きに取り組むことができます。また失敗しても自分を批判することなく、前向きでいることができます。
自尊感情と自己肯定感、違いを分かりやすく解説
自尊感情と自己肯定感はよく混同されますが、実は違うものです。自尊感情は自分の価値に対する一般的な感情であり、自己肯定感は自分のありのままの状態をどれだけ受け入れているかです。
自尊感情が高ければ自己肯定感も高いとは限らず、自尊感情が低い人でも、特定の分野で自己肯定感が高いことはあります。
なぜ自尊感情を高めるのは間違いなのか
自尊感情を高めると起こる問題点
自尊感情を高めると、自己中心的な行動を取りやすくなる可能性があります。
自分を特別な存在と考え、他人を見下す傾向が出てくるんですよね。
自己感情の高まりは人間関係に支障をきたすだけでなく、失敗を受け入れることが難しくなる可能性もあります。
なぜなら、自己感情の高まると自分は完璧でなければならないという思いが強くなり、失敗や誤りを自分自身に認めることが難しくなるからなんですよね。
自尊感情を高めることの限界
自尊感情を高めることは、自己評価が極端になるため、あまり健康的ではありません。
自尊感情が高すぎると自己評価が過大になり、自分の欠点を認識しなくなるんですよね。
また、自分を特別扱いするため、偏見も持ちやすくなります。
そして、過大な自己評価や偏見は、やがて人間関係を悪化させる可能性があるんですよね。自己認識が現実からずれてしまうため、困難に対する適切な対応や自己改善が難しくなります。
ですので、自尊感情を高めるのではなく、セルフコンパッションを鍛えることをおすすめします。
メンタルヘルスに必要なのはセルフコンパッション
セルフコンパッションとは何か?
セルフコンパッションは、自分自身に優しくして、自分のありのままを受け入れることを指します。つまり、セルフコンパッションを高めることで、自己肯定感を高めることができるんですよね。
セルフコンパッションは以下の要素で成り立ちます。
- 自分に優しくする
- 相互につながり合おうとする性質
- マインドフルネスでいる(現実にたいして、ありのままを受け入れる)
「自分に優しくする」では、失敗した場面でも自己批判せずに、自分に優しくすることをこころがけます。
失敗しても、自分に優しくすることができれば、もちろん落ち込むことが減るんですよね。
また、「相互につながり合おうとする性質」では、自分が失敗してしまったときに、まわりの人も同じ苦しみをしているのだと感じることです。
自分だけの問題ではなく、周りの人も抱えている問題だと気づくと、なんだか気持ちが楽になりますよね。また、「相互につながり合おうとする性質」を持つと、自尊感情が高いことによるデメリットである、自分への特別扱いや失敗した時の過度な落ち込みを防ぐことができます。
なぜなら、「相互につながり合おうとする性質」をもつと、自分自身を社会に属するただの一人であると考えるからです。
例えるなら、テニスラケットをイメージしてください。一つの糸がきれても、他の糸が支えとなってボールを跳ね返してくれるように、自分が失敗しても社会が自分を支えてくれるといった意識ですね。また、テニスラケットの糸は各幅が均等に張られているように、社会の中で自分を特別な存在ではなく、ただの一員として考えます。
そして、「マインドフルネスでいる」ことは、今この瞬間に対して、自分自身を客観的にとらえ直すことにつながります。
そして、セルフコンパッションの他の2つの要素(「他人に優しくする」、「相互につながり合おうとする性質」)ができているかを確認することができます。
例えば、他人とのコミュニケーションがうまくいかなかったときに、自分を責めたりしますよね。
しかし、「マインドフルネスでいる」と、今コミュニケーションがうまくいかなかった自分を責めていることに気づくことができるんですよね。
そして今、自分を責めていることに気づいたら、「自分に優しくすること」に意識を向けることで自分を責めないようにします。
また、同時に「相互につながり合おうとする性質」を意識することでコミュニケーションがうまくいかなかった問題に対して、誰でもあるものだと感じ、悩みを軽くできるのですね。
以上、セルフコンパッションを高める要素として、
- 自分に優しくする
- 相互につながり合おうとする性質
- マインドフルネスでいる(現実にたいして、ありのままを受け入れる)
を意識しましょう。
なぜ自尊感情を高めるより、セルフコンパッションが大切なのか?
結果的にセルフコンパッションを高めることは健康でいたり、生活の自己満足感を高めることが研究で分かっています(R)。
なぜなら、セルフコンパッションで失敗に対するで悩みを軽くすると、自己を批判する時間が減ります。そして、失敗に対して、前向きにとらえたり、成長する機会だと考えたりする心の余裕が生まれます。
結果的に、セルフコンパッションを高めることでビジネスや勉強でも成果が出やすいんですね(R)。しかし、自尊感情が高い人も同様にうつ病を減らしたり、生活の満足度が高いことが分かっています。
なぜ自尊感情を高めるより、セルフコンパッションが大切なのか?というと、セルフコンパッションのほうが持続的に心が良い状態が続きやすいからです。
というのも、自尊感情が高い人は失敗に対して過度に落ち込みやすい傾向があり、ずっと自尊感情を高めることが難しいんですよね。
ですが、セルフコンパッションは、失敗に対しても落ち込みにくく、長期的に心や身体が健康である状態が続きます。
セルフコンパッションを鍛える方法
慈愛の瞑想とその効果
慈愛の瞑想は、セルフコンパッションを鍛えるための有効な方法の一つです。慈愛の瞑想は自分自身に対して何回もやさしい言葉を心にとなえます。つまり、自分を許すような瞑想なんですね。
具体的には、以下のような慈愛の言葉を自分のこころに言い聞かせましょう。
今は苦悩のとき。
生きていれば、苦労することもある。
今、自分に優しくありますように。
自分に必要なだけ、自分を思いやれますように。
クリスティン・ネフ著「セルフ・コンパッション」
上記の言葉を繰り返すことで、セルフコンパッションの3つの要素である「自分に優しくすること」、「相互につながり合おうとする性質」、「マインドフルネスでいること」を意識できるんですよね。
また、私は以上の言葉にくわえて、自分の名前を入れてより客観的に自分のことを見れるようにしています。自分の名前(例:豆太郎)を入れることで、第3者の視点でものごとを見れるため、自分の悩みが他人が抱えているように思って悩みが減るのですよね。具体的には以下のような感じです。
”豆太郎(自分の名前)は今、苦脳を感じている。”
”誰だって生きていれば、苦労することもある。”
”豆太郎(自分の名前)が自分に優しくありますように。”
”豆太郎(自分の名前)がありのままの自分を受け入れられますように。”
このように、慈愛の言葉に自分の名前を入れることで、自分の悩みを客観的にとらえ直すことができます。結果的に、悩みを減らしたり、解決することにもつながります。
そして、慈愛の瞑想を定期的に行うことで、セルフコンパッションの感覚を養い、日常生活での自己批判やストレスを減らすことができるんですよね。
セルフコンパッションを日常生活で鍛えるためのアイデア
セルフコンパッションを日常生活で鍛えるためには、自分自身に対する優しさと理解を心がけることが重要です。
たとえば、失敗や誤りを犯したとき、自己批判するのではなく、「誰にでも起こりうるから、自分も失敗があって当然だよ」といった風に考え、自分に優しくするアクションをとることが有効なんですね。
まとめ:自尊感情よりも大切なセルフコンパッションの鍛え方
自尊感情を高めすぎると、自己中心的な行動を取りやすくなる可能性があります。一方、セルフコンパッションは、自己成長を促し、メンタルヘルスを保つ上で重要な要素なんです。
セルフコンパッションを鍛えるために、日ごろから慈愛の瞑想や日常生活での自己批判を減らすアクションなどをとりましょう!
以上、読んでいただきありがとうございました。
さらにくわしくセルフコンパッションを知りたい人に、クリスティン・ネフさんが書いた「セルフコンパッション」をおすすめします。今回の記事で参考にした本です。
また、恋愛やビジネスなどで成功したい人は、メンタルを高めるだけにならず、運を高めることが重要です。運を高める方法を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
そしてぜひ、セルフコンパッションを高めて、よりよいライフを送りましょう!
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